年間の交通事故件数
交通事故の発生件数は、平成16年の95.2万件をピークに、近年は年々減っており、また、平成初期から10年代までは、毎年1万人前後が交通事故で亡くなっていたのですが、最近では5千人以下となっています。
(出典)政府統計の総合窓口「平成25年中の交通死亡事故の特徴及び道路交通法違反取り締まり状況について」
この要因は、自動車についていえば、シートベルトの着用が義務付けられたこと、事故直前の車両速度の低下、歩行者が歩行時に法令をまもるようになったことが指摘されています。
交通事故の死亡者の特徴は、高齢者の割合が過去最高になっており、特に平成24年の統計では、死亡者の半数以上が65歳以上の高齢者となっております。
さて、交通事故で歩行者を死亡させてしまったり、死亡にはいたらなくても今後も残る後遺障害を与えてしまった場合、損害賠償をしなくてはなりませんが、この損害賠償の金額は近年あがっており、概ね3億円以上となっております。
なぜ、3億円といった高額の損害賠償金になるのかというと、死亡した方、あるいは後遺障害となった方がそうなっていなければ、今後得たであろう収入が算出されるからです。
交通事故で死亡する人が減ってきているとはいっても、死亡者の半数が高齢者ということは見逃せません。人間は年をとると、若者のように肉体が頑強ではなくなり、回復力も若者よりも低いからです。
つまり、軽2輪や、原付自転車のように、普通自動車よりも馬力がはるかに小さい乗り物による交通事故でも、高齢者と接触したら、重傷を与えてしまい死亡や後遺障害につながる事故になってしまう可能性が高いということは肝にめいじて運転すべきです。
原付や軽2輪車を含むすべての自動車は自賠責保険に加入する義務があります。これは交通事故の被害者救済を目的とするものですが、自賠責保険の保険金の上限金額は3000万円(後遺障害は4000万円)となっております。
損害賠償の最近の判例では、この保険金額では不足することは明白ですので、自賠責保険に加えて任意保険に加入しておくことがほぼ常識となっています。